秋の味覚で健やかな毎日を

更新日:2026/09/22 | 日本医食研究所 山本光邦

夏の疲れが残りやすく、朝晩の気温差も大きくなる秋。体調を整えるために、毎日の食事を見直してみませんか。

サムネ_免疫UP食材

秋に旬を迎える食材には、ビタミンA・D・Eをはじめ、健康維持に役立つ栄養素を含むものがあります。大切なのは、特定の食材だけに頼るのではなく、主食・主菜・副菜をそろえ、さまざまな食品を組み合わせることです。

この記事でいう「体を守る働き」とは、皮膚や粘膜などの健康を保ち、体が本来備えている機能を支えることです。特定の食品を食べるだけで、病気や感染症を予防できるという意味ではありません。

1.「免疫力アップ」より、毎日の食事の積み重ね

私たちの体には、外から入ってくる細菌やウイルスなどから身を守る仕組みがあります。この仕組みには、食事だけでなく、睡眠、運動、体温調節、持病の管理なども関係しています。

免疫UP食材サムネイル
そのため、「これを食べれば免疫力が上がる」という食品はありません。まず意識したいのは、次のような基本です。

  • ごはん・パン・麺などの主食
  • 魚・肉・卵・大豆製品などの主菜
  • 野菜・きのこ・海藻などの副菜

食事量が減りやすいご高齢者は、エネルギーやたんぱく質が不足しないことも大切です。食欲がない日が続く、体重が減ってきた、むせやすいといった変化がある場合は、かかりつけ医や管理栄養士に相談しましょう。

2.秋の食材から摂りたいビタミンA・D・E

ビタミンA・D・Eは、水に溶けにくく油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」です。それぞれ異なる働きがあり、秋の献立に取り入れやすい食材にも含まれています。

ビタミンA

ビタミンAは、皮膚や鼻・のどなどの粘膜を健康に保つために必要な栄養素です。にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜には、体内でビタミンAに変わるβ-カロテンが含まれています。

秋に取り入れやすい食材:かぼちゃ、にんじん、小松菜、春菊など

ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、骨の健康を保つために必要です。秋鮭などの魚や、きのこ類に含まれます。きのこは、種類や栽培方法、乾燥の有無などによって含有量が異なります。

秋に取り入れやすい食材:秋鮭、さんま、まいたけ、干ししいたけなど

ビタミンE

ビタミンEには抗酸化作用があり、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助けます。秋の食材では、かぼちゃのほか、ナッツ類や植物油などに多く含まれます。

取り入れやすい食材:かぼちゃ、アーモンド、落花生、植物油など

3.食品に含まれる量の目安

代表的な食品に含まれるビタミンA・D・Eの量を、可食部100g当たりでまとめました。食品の種類や調理方法によって数値は変わるため、日々の献立を考える際の目安としてご覧ください。

栄養素食品可食部100g当たり
ビタミンA
(レチノール活性当量)
にんじん/根・皮なし・生 720μgRAE
西洋かぼちゃ/果実・生 330μgRAE
小松菜/葉・生 260μgRAE
ビタミンD しろさけ/生 32.0μg
さんま/皮つき・生 16.0μg
まいたけ/生 4.9μg
ビタミンE
(α-トコフェロール)
アーモンド/いり・無塩 28.8mg
西洋かぼちゃ/果実・生 4.9mg

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」。数値は食品成分データベースに掲載された成分値をもとに記載しています。1回に食べる量は食品によって異なるため、100g当たりの数値だけで優劣を決めず、さまざまな食品を組み合わせましょう。

4.脂溶性ビタミンの摂り過ぎに注意

水溶性ビタミンの多くは、必要以上に摂ると尿などから排出されやすい一方、脂溶性ビタミンは体内に蓄積しやすい性質があります。だからといって、通常の食事でかぼちゃやきのこを避ける必要はありません。

特に注意したいのは、複数のサプリメントや栄養強化食品を重ねて利用することです。成分によっては、長期間にわたり多量に摂ることで健康に影響する場合があります。

  • パッケージに記載された1日当たりの目安量を超えない
  • 同じビタミンを含む商品を重ねていないか確認する
  • 医薬品を服用中の方、通院中の方、腎臓や肝臓などに持病がある方は、利用前に医師・薬剤師へ相談する
  • 体調に異変を感じたら利用を中止し、医療機関へ相談する

栄養素は「多いほどよい」わけではありません。基本は食事から、過不足なく摂ることを心がけましょう。

5.秋の食材を楽しむ簡単レシピ

秋鮭ときのこの包み蒸し

秋鮭とキノコ

材料(2人分)

  • 生鮭:2切れ
  • まいたけ:1/2パック
  • しめじ:1/2パック
  • 玉ねぎ:1/4個
  • 酒:小さじ2
  • バター:10g
  • しょうゆ:小さじ1~2

作り方
アルミホイルに薄切りの玉ねぎ、鮭、ほぐしたきのこをのせ、酒とバターを加えて包みます。フライパンに並べ、底から1cmほど水を入れてふたをし、中火で10~15分を目安に、鮭の中心まで十分に火を通します。仕上げにしょうゆを少量かけます。

鮭でビタミンDとたんぱく質、きのこで食物繊維を摂れる一品です。塩分が気になる方は、しょうゆを控え、レモンやすだちの香りを利用しましょう。

かぼちゃと小松菜のごま和え

カボチャと小松菜

材料(2人分)

  • かぼちゃ:120g
  • 小松菜:1/2束
  • すりごま:大さじ1
  • しょうゆ:小さじ1
  • 砂糖:小さじ1/2

作り方
かぼちゃは食べやすい大きさに切り、やわらかくなるまで加熱します。小松菜はゆでて水気を絞り、3~4cm幅に切ります。すりごま、しょうゆ、砂糖を混ぜ、かぼちゃと小松菜をやさしく和えます。

かぼちゃと小松菜からβ-カロテンを摂れます。β-カロテンは油と一緒に摂ると吸収されやすいため、お好みでごま油を少量加えてもよいでしょう。

秋の食事づくりのポイント

  • 特定の食品に偏らず、主食・主菜・副菜をそろえる
  • 魚、野菜、きのこ、豆類などを組み合わせる
  • サプリメントは摂取量と成分の重複を確認する
  • 食欲低下や体重減少が続くときは専門家へ相談する

旬の食材は、おいしさや季節感を楽しめることも魅力です。無理なく続けられる献立から、毎日の健康づくりに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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