更新日:2026/02/19 | 日本医食研究所 山本光邦
花粉症をはじめとする「アレルギー性鼻炎」。正しく知って、正しく予防や対症療法を行っていきましょう。
目次
「アレルギー性鼻炎」とは
アレルギー性鼻炎を予防・対策するには?
よくある質問(Q&A)
相談の目安と受診のすすめ
まとめ
「アレルギー性鼻炎」とは
アレルギー性鼻炎(鼻アレルギー)とは、鼻粘膜が特定の物質(アレルゲン) に対して過敏に反応し、アレルギー反応を起こすことで生じる炎症性疾患です。
主な症状は、止まらないくしゃみ 、サラサラした鼻水 、鼻づまり が表れます。多くの場合、鼻のかゆみや目のかゆみ・充血(結膜炎)も伴います。 日本では国民の約半数 が罹患している非常に頻度の高い「国民病」の一つです。
発症には遺伝的要因(アレルギー体質)と環境的要因(衛生面・花粉飛散量など)が関係しており、近年は鼻炎が全体として増える傾向にあります。
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症のこと)
主に植物の花粉が原因となる鼻炎で、2~4月はスギ、初夏はイネ科、秋はキク科と冬以外の季節に症状が表れます。日本人はスギ花粉によるものが最も多く3人に1人 が罹患しています。
通年性アレルギー性鼻炎
花粉と異なり、一年を通じてアレルゲンが存在する鼻炎です。原因物質はハウスダスト、ダニ、ペットの毛やカビなどで、一年中症状が続くタイプの鼻炎です。
<それぞれの有病率(2019年調べ)> 季節性アレルギー性鼻炎・・・42.5% (うち、スギ花粉症・・・38.8%) 通年性アレルギー性鼻炎・・・24.5% 全体のアレルギー性鼻炎・・・49.2% (重複含む) ※日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会による2019年の全国疫学調査より(n数=20,000人)
アレルギー性鼻炎の”予防法”と”対応策”
アレルギー性鼻炎 は、アレルギー原因物質 であるアレルゲン(抗原) が鼻粘膜に付着・侵入 することで発症します。 予防のためには、「入れない」「下げない」「受け付けない」 のアプローチがあります。
「入れない」=アレルゲンを体に入れない工夫を!
アレルギー性鼻炎の原因となる花粉やダニ、ハウスダストなどのアレルゲンが鼻に入るのを防ぐことが第一歩。侵入を抑え、入ってしまったものは体外に出す習慣を身につけましょう。
マスクの着用 : 外出時は花粉対策用のマスクを。N95規格のものや、花粉99%カットと表示されたものがおすすめ。室内でも掃除時などに活用。
加湿器の活用 : 空気が乾燥すると鼻粘膜が弱り、アレルゲンが入りやすくなるので、部屋の湿度を50-60%に保つ。加湿器や濡れたタオルを干すだけでも効果的。
鼻洗い(鼻うがい) : 生理食塩水を使った鼻洗浄で、アレルゲンを洗い流す。市販の鼻洗浄器を使い、1日1-2回。最初はコツがつかみにくいので、説明書をよく読んで。
その他の回避策 : 花粉シーズンは窓を閉め、洗濯物を室内干し。ダニ対策として布団を定期的に掃除機かけや日干し、除湿機を活用。ペットを飼う場合は毛の掃除を徹底。
これらでアレルゲンの侵入を大幅に減らせます。毎日の小さな習慣が積み重なって効果を発揮します。
「下げない」=免疫力を下げない生活習慣を!
アレルギー反応は、体調が悪いと悪化しやすい。免疫力を維持して、体全体の抵抗力を高めましょう。ストレスや疲労が溜まると症状が出やすくなるので、毎日の生活を見直すチャンスです。
十分な睡眠 : 毎日7-8時間の質の良い睡眠を。寝室を暗く静かにし、規則正しい就寝時間を守る。
バランスの良い食事 : 野菜、果物、発酵食品(ヨーグルトや味噌)を積極的に。ビタミンCやE、亜鉛が豊富な食材(柑橘類、ナッツ、魚介類)が免疫をサポート。過度な糖分や加工食品は控えめに。
適度な運動 : 散歩やジョギング、ヨガなどの軽い有酸素運動を週3-5回。汗をかく程度でOKですが、屋外運動時は花粉情報をチェック。
ストレス管理 : 深呼吸や趣味の時間でリラックス。タバコは避け、アルコールも適量に。
これらの習慣で体が強くなり、アレルギー症状が起きにくくなります。予防は「健康づくり」の一環です。
「受け付けない」=薬でアレルギー反応を抑える!
アレルゲンが入っても、反応を抑える薬や治療を活用。アレルギーのメカニズムをブロックするアプローチです。自己判断せず、医師や薬剤師に相談して正しく使いましょう。
市販薬の活用 :
抗ヒスタミン薬 : くしゃみや鼻水を抑える飲み薬や点鼻薬。眠気が出にくい第2世代のものを選ぶ。自分に合ったものを見つけましょう。
血管収縮剤の点鼻薬 : 鼻づまりを即効で解消。ただし、連続使用は1週間以内に(リバウンド現象を避ける)、用法容量を必ず守る。
点鼻ステロイド薬 : 炎症を抑え、長期使用OK。効果が高いが、使い方を守って。
漢方薬 : 「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」が薬剤師さんから第一選択薬として勧められる。「漢方だから安全」と考えてしまうのではなく、用法容量を守ること。連続飲用は胃荒れなどを引き起こすので注意。
処方薬 : 医師の診察で、抗ロイコトリエン薬(鼻炎の炎症を抑える飲み薬)などが処方される場合あり。重症向けに有効。
アレルゲン免疫療法 : 根本治療としておすすめ。アレルゲンを少しずつ体に慣らす方法。
舌下免疫療法 : スギ花粉やダニ向けの錠剤を舌の下に置く。毎日自宅で可能、3-5年継続で効果持続。効果が出るまで時間がかかる。
皮下注射免疫療法 : 病院で注射。効果が高いが、通院が必要。効果が出るのは舌下と比較して早いが、回数を重ねる必要がある。
これらは予防だけでなく、症状が出た時のコントロールにも役立ちます。薬の併用や副作用については専門家に確認を。
この3つのアプローチ「入れない」「下げない」「受け付けない」 を組み合わせることで、アレルギー性鼻炎の予防効果がアップします。まずは自分に合ったものから試してみてください。生活の質を高めるために、毎日の予防を習慣化しましょう!
よくある質問(Q&A)
Q. アレルギー性鼻炎と風邪の違いは?
A. 両方ともくしゃみ・鼻水・鼻づまりが出ますが、アレルギー性鼻炎は鼻水がサラサラで透明、水様性が続き、発熱がほとんどなく、目のかゆみや連続くしゃみが特徴的です。一方、風邪は鼻水が徐々に黄色っぽく粘り気が出て、喉の痛みや発熱を伴うことが多く、数日〜1週間で自然に治ります。症状が長引く場合や繰り返す場合は、アレルギー性鼻炎の可能性が高いので耳鼻科にかかるのをお勧めします。
Q. アレルギー性鼻炎は自然に治りますか?
A. 残念ながら、自然に治るケースは少なく、特にスギ花粉症では生涯続く人がほとんどです(高齢になると一部で症状が軽くなることはあります)。対症療法(薬)ではコントロールはできますが、服薬を止めたら症状が戻るのが一般的です。
Q. 検査で陰性なのにアレルギー症状が出るのは?
A. 検査で陰性でも、アレルギー性鼻炎の症状が出るケースは少なくありません。理由として、検査項目に含まれていないアレルゲン、局所アレルギー性鼻炎(血中IgEは陰性でも鼻粘膜で反応)、または非アレルギー性鼻炎(血管運動性鼻炎など)が考えられます。症状を抑えるには鼻洗いや点鼻薬などが有効ですが、症状が重い場合は耳鼻科にかかるのがよいでしょう。
まとめ
鼻水がサラサラしている・透明無職である場合はアレルギー。粘性があったり、鼻水が黄色い場合は風邪。
花粉症をはじめとしたアレルギー性鼻炎は年々増加傾向にある。
一度発症すると続いてしまうので、予防&対策が大切。「入れない」「下げない」「受け付けない」
市販薬の乱用、長期間にわたる使用は副作用を招くので、用法容量を守る。