高齢者のたんぱく質 “摂りすぎ” に注意!

更新日:2025/10/08 | 日本医食研究所 山本光邦

プロテイン
たんぱく質は筋肉や体を作る重要な栄養素ですが、特に高齢の方では“過剰”に摂ると腎臓に負担をかける可能性があります。本記事では、シニア向けに分かりやすく「適正量」「日常での調整法」をまとめました。

たんぱく質が必要な理由

たんぱく質は筋肉や臓器、ホルモン、酵素の材料となる大切な栄養素です。高齢期は筋肉量が減りやすく、フレイルやサルコペニア(筋力低下)を予防するために不足を避ける必要があります。医師もこうした対策として、たんぱく質の摂取を促すことが多いですが、無理に増やすのではなく、ご自身の摂取量を知り、不足せず摂りすぎないバランスが大切です。

摂りすぎのリスク(高齢者は特に注意)

一方で、過剰なたんぱく質摂取は腎臓に負担をかける可能性があります。特に腎機能が低下している方は注意が必要です。フレイル予防のため不足しないようにしましょう。ただし、摂りすぎは負担をかける恐れがあるので、まずは今の摂取量を把握し、目安を守ることをおすすめします。

  • 血液検査で eGFR が 60 を下回る方
  • 慢性腎臓病(CKD)の診断を受けている方
  • 長期にわたって高蛋白のサプリやプロテインを日常的に摂っている方

年齢別・体重別の目安

目安の出し方は複数ありますが、シニア向けの一般的な指針は以下です。個別の健康状態により変わるため、気になる方は医師に相談してください。

  • 一般成人:体重1kgあたり0.8-1.0g/日
  • 高齢者(フレイル予防):体重1kgあたり1.0-1.2g/日を目安にすることが多い

例:体重50kgの方は 50-60g/日 が目安。ただし腎機能に不安がある場合は医師と相談を。

たんぱく質10gを含む食品

身近な食品でたんぱく質10gに相当する量の例を示します。意外と、主食からもたんぱく質を摂れていることがわかります。

食品量(目安)たんぱく質量の目安
焼き鮭(小さめ薄切) 1枚 約10g
鶏ささみ 0.7切れ 約10g
白米 2杯 約10g
食パン(6枚切り) 1.6枚 約10g
絹ごし豆腐 1丁 約10g
木綿豆腐 0.7丁 約10g
牛乳 600ml(3杯) 約10g
ゆで卵 1.5個 約10g

焼き鮭 木綿豆腐 食パン ゆで卵

安全に補うための3つの方法

  1. 自分の一日摂取量を把握する: まずは普段の食事でどのくらい摂れているか計算してみましょう(体重×目安g)。
  2. 極端な増量は避ける: PFC(たんぱく質・脂質・炭水化物のバランス)で調整します。総エネルギーの20-30%を目安に。
  3. 腎機能に不安がある人は検査を優先: eGFRや医師の指示に従い、必要なら調整を行います。
円グラフ_PFC

日常で取り入れやすいレシピ例

フレイルやサルコペニアを防ぐために、たんぱく質を不足させない食事を心がけましょう。以下に、簡単なレシピを2つ紹介します。各レシピは体重50kgの方の目安量(50-60g/日)の一部として活用可能です。調理時間は10分以内、材料は身近なものを使っています。

  • 鮭とキノコのホイル焼き(たんぱく質が約20g摂れる)
    シャケのホイル焼き
    材料(1人分):焼き鮭1/2枚(約50g)、しめじ50g、しょうゆ小さじ1、アルミホイル。
    作り方:鮭とキノコをホイルに包み、しょうゆをかけ、電子レンジで3-5分加熱。
    ポイント:温かく食べやすく、消化が良い。夕食の主菜に。
  • ゆで卵と鶏ささみのサラダ(たんぱく質が約25g摂れる)
    ゆで卵と鶏ささみのサラダ
    材料(1人分):ゆで卵1個、鶏ささみ1/2本(約50g)、レタス適量、マヨネーズ小さじ1。
    作り方:鶏ささみをゆでてほぐし、ゆで卵をスライス。レタスと混ぜてマヨネーズで和える。
    ポイント:冷蔵庫の常備品で作れ、軽い食事に最適。

よくある質問(Q&A)

Q. プロテインは飲んだ方がいい?

Q. ご飯(白米)にもたんぱく質があるの?

Q. 痩せている人は、たんぱく質を多く摂らないとダメですよね?

相談の目安と受診のすすめ

次の場合は早めに医師に相談してください:

  • 過去の検査で eGFR が 60 未満だった
  • むくみや尿の異常があると感じる
  • 長期的に高たんぱく食品やサプリを常用している

まとめ

  • たんぱく質はフレイルやサルコペニア予防に重要ですが、不足せず摂りすぎないようにしましょう。
  • 高齢者は体重1kgあたり1.0-1.2g/日を目安にし、個人差は医師に確認する。
  • まずは今の食事でどのくらい摂れているか把握してから調整を。
  • 疑問や気になることがあれば、かかりつけ医や栄養士に相談する。