更新日:2026/05/01 | 日本医食研究所 山本光邦

病院に行っても"原因がわからない"。ストレスの影響と言われるだけで改善が期待できない。
症状を止めるために薬を処方されるだけ。そんなお悩み、お持ちでないですか?
そういった「不定愁訴」や「更年期症状」、「生理に関する悩み」など、これらに共通して「シトクロム」という酵素の働きが関係しているかも。
聞き慣れないシトクロムですが、とても大事な役割をしています。
シトクロムとは?
シトクロムは、私たちの体内で働く「代謝酵素」の一つです。
代謝酵素とは、エネルギー生成、新陳代謝、細胞の修復、免疫、治癒、デトックスなどを担っている、体の機能を維持する酵素のことです。
シトクロムは、鉄の周りにタンパク質が絡みついているようなつくりをしていて、鉄がないと働くことができません。また、鉄がないと、そもそもシトクロムが生成されないので、シトクロムの働きには鉄が深く関係しています。
シトクロムの役割とは?
冒頭で、シトクロムは不定愁訴や更年期症状、生理の悩みに関係しているかも・・・と書きましたが、それはシトクロムが女性ホルモン「エストロゲン」を生成しているから。
エストロゲンはご存じの通り、女性の健康を支えるホルモンです。女性の骨や血管、肌や脳と全身の健康を維持し、若々しさを保つ大切なホルモンで、40代以降は分泌量が減ってしまうために更年期症状や骨粗しょう症、動脈硬化のリスクが高まると考えられています。
エストロゲンは、大豆や果物に含まれるイソフラボンを摂取することで補うことが推奨されますが、シトクロムの働きを高めることも大変有効で、そのためには鉄を十分に体内に持っておく必要があります。
シトクロムには、エストロゲン生成のほかにも様々な働きがあります。
- 活性酸素の除去: 体の細胞を傷つけて、老化させたり病気にしたりする活性酸素。シトクロムは活性酸素を分解し無毒化する働きをしています。
- 解毒: 私たちの体内には、毒や老廃物が多く存在します。それらを無毒化したり、代謝して体外に排出したりする働きをしています。
- ステロイドホルモンの生成: エストロゲンもステロイドホルモンの一種ですが、シトクロムにはエストロゲン以外にもホルモンを多く生成しています。炎症を抑えたり血糖値を調整する「副腎皮質ホルモン」や性機能の維持に役立つ「性ホルモン」など。体内の塩分や水分量を調整するといった目に見えない働きもステロイドホルモンが行っています。
シトクロムの働きが弱まると?
色々、体内で重要な役割を持つシトクロムですから、少なくなったり働きが弱まってしまうと、体に症状が表れます。
エネルギーがつくられない、デトックスが行われないとなってしまうと、疲れやすい体質になったり、倦怠感が継続する場合があります。
ホルモンがつくられない(少なくなる)と、様々な症状が出始め、
といった悪循環に陥ってしまうと、自然な回復は困難になってしまいます。
薬剤師はみんな知ってる、シトクロム!
「薬とグレープフルーツジュースを一緒に摂るのはNG」—聞いたことありませんか?
理由は、薬効が必要以上に持続したり、強く出てしまうから。
実はこれ、シトクロムが関係しています。
シトクロムには解毒の働きがあるとお伝えしましたが、「薬の代謝」という役目も。
それなのに、グレープフルーツの成分がシトクロムの働きを邪魔してしまうんです。
結果として…
- 薬効成分の血中濃度が高まり過ぎる
- 体内の薬効成分が分解されずに滞留する
つまり、薬が必要以上に“効きすぎる”状態に。薬の効果を正しく発揮するためにはシトクロムの働きが不可欠で、薬剤師はシトクロムを重要な酵素として知っているというわけです。
薬学の視点からも、シトクロムが正常に働くために「鉄」は欠かせません。
まとめ
- シトクロムは: エストロゲンを中心としたホルモンの生成に関わる代謝酵素。
- 代謝酵素は: エネルギー生成、新陳代謝、免疫などを担っている。
- 鉄が必要: シトクロムの組成やシトクロムが正常に働くために鉄が必須!
- 更年期症状や生理のお悩みの原因となっている場合があるので、鉄をしっかり補ってシトクロムがきちんと働けるようにしましょう!
よくある質問(Q&A)
Q. 摂る鉄の種類で、シトクロムの働きに違いは出る?
A. シトクロムは、ヘムタンパクといってヘム鉄とタンパク質が合わさったつくりをしています。摂った鉄がそのまま使われるのではないので、鉄の種類(ヘム鉄・非ヘム鉄・フェリチン鉄)は影響しません。
どのような形でも鉄を摂ることがシトクロムの働きを高めることにつながります。
Q. グレープフルーツ以外に、シトクロムの働きを阻害する食べ物はありますか?
A. 柑橘系のジュースや赤ワインは避けた方がよいでしょう。柑橘の中でもレモンやオレンジは問題が出ないとされていますが、その判別が困難なため避けるのが無難と考えます。ハーブ類でも一部、シトクロム阻害の報告があります。
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