サプリメントは重ねて飲んでも大丈夫? ~過剰摂取と飲み合わせの注意点~

更新日:2026/09/24 | 日本医食研究所 山本光邦

健康維持のために、複数のサプリメントを利用している方もいらっしゃると思います。
「目の健康のため」「骨の健康のため」「不足しがちな栄養を補うため」と目的が異なっていても、 それぞれの商品に同じビタミンやミネラルが含まれていることがあります。

サムネイル_サプリ複剤摂取


また、サプリメントに含まれる成分によっては、服用している薬の働きに影響することもあります。サプリメントを複数利用するときに知っておきたい、代表的な5つの例をご紹介します。
栄養成分の過剰摂取や、薬剤との飲み合わせを避けられるように、ぜひご確認ください。

1.ビタミンA ― 複数のサプリとレチノイド系医薬品に注意

ビタミンAは、皮膚や粘膜、目の健康などに関わる大切な栄養素です。 一方、脂溶性ビタミンのため体内に蓄積されやすく、 長期間にわたって必要以上に摂取すると、過剰摂取につながる可能性があります。

イラスト_ビタミンA過剰摂取

例えば、マルチビタミンに加えて、美容系や目の健康を目的としたサプリメントを利用している場合、 それぞれの商品にビタミンAが含まれていないか確認してみましょう。

注意したい組み合わせ考えられる注意点
マルチビタミン
+
美容系サプリ
+
目の健康サプリ
複数の商品からビタミンAを摂取し、合計量が多くなる可能性があります。
ビタミンAサプリ
+
レチノイド系医薬品
ビタミンAの作用が重なり、過剰になる可能性があります。

● レチノイド系医薬品とは?

ビタミンAと関連した作用を持つ医薬品で、 乾癬などの皮膚疾患や、一部のがんなどの治療に使用されるものがあります。 薬の種類によって使用目的は異なります。

レチノイド系医薬品を使用している場合は、ビタミンAを含むサプリメントを自己判断で追加せず、 医師や薬剤師に確認しましょう。


2.ビタミンD・カルシウム ― 骨の健康サプリの重複に注意

ビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。 そのため、「骨の健康」を目的としたサプリメントには、 ビタミンDとカルシウムが一緒に配合されていることもあります。

イラスト_カルシウム過剰摂取

マルチビタミン、カルシウムサプリ、骨の健康を目的としたサプリなどを併用すると、 知らないうちに同じ成分を複数の商品から摂取していることがあります。

注意したい組み合わせ考えられる注意点
マルチビタミン
+
カルシウムサプリ
+
骨の健康サプリ
ビタミンDやカルシウムの摂取量が重複する可能性があります。
ビタミンDサプリ
+
チアジド系利尿薬
血液中のカルシウム濃度が高くなりすぎる可能性があります。

● チアジド系利尿薬とは?

尿として水分や塩分を排出しやすくする薬の一種で、 主に高血圧の治療や、むくみなどを改善する目的で使用されます。

高血圧などで薬を服用している方がビタミンDやカルシウムのサプリメントを利用する場合は、 薬との組み合わせを医師や薬剤師に確認すると安心です。


3.亜鉛 ― 複数商品の重複と抗菌薬との飲み合わせ

亜鉛は、味覚や皮膚、免疫機能などに関係するミネラルです。
美容系、男性向け、健康維持を目的としたサプリメントなど、 さまざまな商品に配合されています。

イラスト_亜鉛過剰摂取

そのため、複数の商品を利用することで、 意識しないまま亜鉛の摂取量が多くなっている場合があります。

また、亜鉛は一部の抗菌薬と同時に摂取すると、 亜鉛や薬の吸収に影響する可能性があります。

注意したい組み合わせ考えられる注意点
マルチミネラル
+
亜鉛サプリ
+
美容・健康系サプリ
亜鉛の摂取量が重複する可能性があります。
亜鉛サプリ
+
テトラサイクリン系・キノロン系抗菌薬
亜鉛や抗菌薬の吸収が低下する可能性があります。

● テトラサイクリン系・ニューキノロン系抗菌薬とは?

いずれも細菌による感染症を治療するための薬です。 感染している細菌や症状によって使い分けられ、 呼吸器、皮膚、尿路などの感染症に使用されることがあります。

参考: 厚生労働省 eJIM「亜鉛」


4.ビタミンK ― ワルファリンを服用している方は特に注意

ビタミンKは血液が固まる仕組みに関わる栄養素です。 通常の食生活では大切な栄養素ですが、 ワルファリンを服用している方では特に注意が必要です。

イラスト_ビタミンK拮抗

ワルファリンは血液を固まりにくくする働きがありますが、 ビタミンKには反対に血液凝固を助ける働きがあります。 そのため、多量のビタミンKを摂取すると、ワルファリンの作用が弱くなる可能性があります。

ビタミンKはサプリメントだけでなく、 青汁やクロレラなどの健康食品にも含まれている場合があります。

注意したい組み合わせ考えられる注意点
ワルファリン
+
ビタミンKを含むサプリ・健康食品
ワルファリンの作用が弱くなる可能性があります。

● ワルファリンとは?

血液を固まりにくくする抗凝固薬です。 血栓ができることを防ぐ目的で、 心房細動などに伴う血栓症の予防や治療などに使用されます。

「血液を固まりにくくする薬」がすべてビタミンKの影響を受けるわけではありません。 ワルファリンを服用しているかどうか分からない場合は、薬の名前を確認し、 医師や薬剤師に相談してください。


5.鉄・カルシウム・マグネシウム ― 一部の薬の吸収に影響

鉄、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルも、 複数のサプリメントに含まれることが多い成分です。

イラスト_鉄CaMg過剰摂取

これらのミネラルは、一部の薬と消化管の中で結びつくことで、 薬が体内へ吸収されにくくなり、薬の効果が弱くなる可能性があります。

サプリ等に含まれる成分注意が必要な薬の例主な注意点
カルシウム テトラサイクリン系抗菌薬
ニューキノロン系抗菌薬
一部の骨粗しょう症治療薬
レボチロキシンなどの甲状腺ホルモン薬
薬の吸収が低下し、効果が弱くなる可能性があります。
レボチロキシンでは、カルシウムとの服用時間をあける必要があります。
マグネシウム テトラサイクリン系抗菌薬
フルオロキノロン系抗菌薬
一部の骨粗しょう症治療薬
薬の吸収が低下する可能性があります。
鉄 テトラサイクリン系抗菌薬
ニューキノロン系抗菌薬など
レボチロキシンなどの甲状腺ホルモン薬
薬の吸収が低下し、効果が弱くなる可能性があります。
鉄とレボチロキシンを同時に使用すると、 レボチロキシンの効果が低下することがあります。

● テトラサイクリン系抗菌薬

細菌による感染症を治療する薬です。 皮膚や呼吸器などの感染症をはじめ、 原因となる細菌に応じてさまざまな感染症に使用されます。

● ニューキノロン系抗菌薬

こちらも細菌による感染症を治療する薬で、 尿路感染症、呼吸器感染症などに使用されることがあります。

● レボチロキシンなどの甲状腺ホルモン薬

レボチロキシンは、不足している甲状腺ホルモンを補う薬で、 甲状腺機能低下症や、甲状腺がんなどの治療に使用されます。

厚生労働省eJIMでは、レボチロキシンとカルシウムや鉄について、 服用時間をあける必要があることが紹介されています。ただし、服用方法は薬の種類や治療内容によって異なるため、 自己判断で時間を変更せず、薬の説明書を確認するか、 医師・薬剤師に相談しましょう。

参考:


【まとめ】サプリを複数利用するときに確認する3つのこと

複数のサプリメントを利用する場合、 「それぞれの商品にどんな成分が入っているか」を一度確認してみましょう。

① 同じ成分が重なっていないか確認する

同じ栄養素が重複していないか確認しましょう。

② 薬を飲んでいる場合は、飲み合わせを確認する

医師や薬剤師から聞いた、服薬上の注意事項はきちんと覚えておきましょう。

③ 「多く摂れば、より健康によい」とは限らない

ビタミンやミネラルは体に必要な栄養素ですが、 目安量を確認し、適切に利用しましょう。

大切なのは、「何種類のサプリを飲んでいるか」だけではなく、 1日に摂取するすべての商品を合わせて、どの成分をどのくらい摂っているかを見ることです。

治療中の病気がある方や薬を服用している方は、 新しいサプリメントを利用する前に医師や薬剤師へ相談しましょう。

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